真夏のエスプレッソ一気飲みは、見栄の味がした
知らないのに、知ってる顔をしてしまったあの日の話
てるまにです。
はむさんのポンコツの森という森に参加表明したんです(森)
ポンコツエピソードを披露してほしいとのことだったので、その時思い出せたポンコツエピソードを書きなぐったんですね。ちなみにてるまにはポンコツ検定S級のポンコツラーなので、あっという間にエピソード108個くらいは思い出せましたけど、今回は5個に止めておきました。
その時に書いた最後のエピソードを詳しく深掘りしたのが、今回の記事です。
こうやって他の発信者さんの投稿を読んでいると、思わぬインスピレーションをもらえる。これもSubstackの良いところですね。
ちなみにはむさんのポンコツの森はこちらです。
では本編いきます。
◆下北沢の有名なカフェ
去年の夏、東京に2週間出張していたことがあります。
今回はその出張中に訪れたカフェの話。
下北沢に、有名なエスプレッソのお店があります。
当時のぼくは、エスプレッソというものをまったく理解していなかった。
コーヒーの仲間で、なんか苦いやつ。
理解度としては、そのくらいです。
下北沢の有名なお店。
店名は英語。
おしゃれな空気。
もうこの時点で、ぼくの中の「知ってる顔をしなければならないスイッチ」が入りました。
あの日は真夏でした。
気温はたぶん34度か35度くらいあったと思います。
もう、外を歩いているだけで体力が削られていくような気温。
ぼくは涼を求めてそのお店に入りました。
店員さんに気取った感じでこう尋ねます。
「おすすめは何ですか?(キリッ」
すると店員さんは、当然のように言いました。
「エスプレッソです」
「ほう(?)」
実はお店の名前に「エスプレッソ」が入っていたんです。
本当におすすめだったんだと思います。
ぼくも、そこで素直に言えばよかった。
「すみません、エスプレッソってどう飲むんですか」
とか。
「冷たいものありますか」
とか。
でも言えませんでした。
なぜなら、ぼくはもう知っている顔をしてしまっていたから。
一度「わかってます」の顔を作ってしまうと、人間はなかなか引き返せません。
「ああ、エスプレッソですね」
みたいな顔をしてたと思います。
実際には何もわかっていません。
37歳にもなってエスプレッソも知らんおっさんが、下北沢のおしゃれな店で、精一杯背伸びして理解者フェイスをしてただけ。
そして出てきた。
ちっちゃいカップに入った、熱々の液体が。
実際の写真。気取って写真まで撮ってしまうポンコツぶり。
真夏ですよ。
外は34度か35度。汗が止まらない気温。
周りのお客さんは涼しげな顔で、氷を鳴らしながらアイスコーヒーやアイスカフェオレを飲んでいる。
その中でぼくだけが、ちっちゃいカップに入った熱々のエスプレッソと向き合っている。
どうしてこうなった。
なんか違う汗が出てくる。
ここで素直になればよかったんです。
せめて、ゆっくり飲めばよかった。
砂糖を入れるなり、店員さんに聞くなり、いくらでも方法はあった。
でも、そのときのぼくには無理でした。
なぜなら、ぼくはすでに「これが欲しかったんだよ」の顔をしていたから。
これこれ。
これを飲みに来た。
大丈夫、ぼくは全部わかってる。
そういう表情を、全身全霊で作った。そうしないとぼくはぼくを保てなかった。
そして、ちっちゃいカップをクイっと持ち上げ、
一気に飲み干した。
!?
ぼくはなにをやってるんだ。
マジで意味がわからない。
真夏に。
下北沢で。
熱々のエスプレッソを。
一気飲みするおっさん。
今自分で書いていても、何をしているんだと思う。
喉が焼けるように熱い。
「んぐっ!?」
みたいな変な声も出てたと思う。
苦いとか、香りがどうとか、余韻がどうとか、そういう世界じゃない。
熱い。
とにかく熱い。
そして苦い。
さらに、分かってる顔をしなければいけない。
勝手にたったひとりの縛り耐久レースが始まっている。
人間のプライドというものは、ときどき本当にしょうもない方向に全力疾走する。
ぼくは「わかってます」の顔のまま、店を出るしかなかった。
何ひとつわかってはいない。
ただ喉だけが、しっかりエスプレッソを理解していた。
帰り道、妻に電話。
半分泣いてたと思う。
「エスプレッソって、あんな熱いんだね...」
そんなようなことを言った気がする。
妻からしたら、何の報告だよという話。
出張行ってる夫からの電話が
「エスプレッソ苦いね」
アホか。
でも、ぼくの中ではけっこうな事件でした。
今思うと、あれはエスプレッソの話というより、見栄の話だったのかもしれません。
知らないのに、知ってる顔をする。
わからないのに、わかってるふりをする。
聞けばいいのに、聞けない。
引き返せばいいのに、引き返せない。
そういうことって、たぶん誰にでもあると思います。
仕事、発信、子育て。色んな場面でありそうな話。
「これくらい知ってないと恥ずかしいかな」
「今さら聞いたら変かな」
「自分だけわかってないのかな」
そう思って、平気な顔をしてしまう。
でも内心では、ちっちゃいカップに入った熱々の何かを前にして、めちゃくちゃ動揺している。
今でも、そういう自分が時々姿を見せます。
37歳になっても。
3児の父になっても。
会社員をやっていても。
Substackで文章を書いていても。
この世はわからないことだらけ。
それなのに、たまに「わかってます」みたいな顔をしてしまう。
人生、まだまだ修行が足りない。
でも最近は、少しだけ思うんです。
知らないなら、知らないと言ってもいいんじゃないか。
わからないなら、わからないまま聞いてもいいんじゃないか。
エスプレッソを一気飲みしなくても、人間としての尊厳はたぶん失われない。
むしろ、そこで
「すみません、これどう飲むんですか」
と聞ける人の方が、よほど自分を持っているのかもしれませんね。
ぼくはあの日、真夏の下北沢で熱々のエスプレッソを一気飲みしました。
喉は焼けた。
見栄も焼けた(?)
でも、そのおかげで今こうしてひとつ話せることが増えた。
ネタにできた。
知らない自分。
かっこつけてしまう自分。
あとから妻に泣きながら電話する自分。
そういうものを、なかったことにしなくてもいい。
自分の声って、たぶんそういうところから出てくるんだと思います。
だから今日も、知らないものは知らないまま、でも知ったふりをしすぎずに生きていきたいです。
皆さんも、知ったかはやめましょう!w
今日のまとめ
エスプレッソはゆっくり飲みたい。
できれば、涼しい日に。
終。
てるまに。
日常を少し大げさに見て人生を楽しむ切り口を発信してます。
人間らしい体温を感じられる記事を意識してお届けします。
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めちゃくちゃわかります😂
一度知ってる顔をすると、引き返せなくなちゃうんですよね!
でも真夏のエスプレッソ一気飲みは強すぎました☕️
いまだにスタバの注文よく分からないので、ゆっくり確実に選べるモバイルオーダーは神アプリだと感じてます🐕